うつ病である本人は、自分がうつだということさえも気付いてない場合もあったり、
わかっていても自分自身に壁を作るように空元気で健気に振る舞ったりすることが多々あります。
ですが、本当は「ただ助けてほしい」だけなのです。
特に一番身近な存在の、家族である親に助けてほしいものです。
頭ごなしに患者の言うことは否定しないでください。
ただもし、「死にたい」「消えたい」と言っている時は否定も肯定もせず、
理由も聞かずにただ「辛いんだよね」と寄り添ってもらうことが患者にとっては一番嬉しく、安心します。
色々と聞かれてしまうと答えられなくもなるし、
ただ聞かれているだけなのにそれが全て、自分を否定されているような言葉に聞こえてしまいます。
抱き締めたりしなくてもいい、何も言わなくてもいいからただただ寄り添ってほしいだけなのです。
つらくて眠れないときは
「無理に眠ろうとする必要はない。眠らなくていい、眠れるときにたくさん寝ればいいよ。」、
ご飯が食べられないときは「食べたくなったら食べるといいよ。」と、
なぜそれが出来ないのかを言わず、聞かずに
「出来なくてもいいよ」と一言声かけがあるだけで、心は多少なりとも救われますし、
そういった一言があるだけで「してみようかな」と少しではありますが、意欲がわきます。
また、患者はもうたくさん頑張ってきているので、
気安く「頑張れ」と言われると
「もうこんなに頑張っているのにこれ以上どうしたらいいんだ!」と思ってしまい、
余計にこころが疲れてしまって全てにたいしてやる気がなくなり、
最悪の場合自殺してしまうので、
「よく頑張ってきたね」「もう頑張らなくていいんだよ」
と言ってあげることが大切です。
涙をなかなか流すことが出来なくなってしまっている患者は、
それだけで涙を流すことも出来ますし、また、こころが軽くなります。
うつ病を理解しようとしても、本人やお医者さんにさえもわからないのに
理解してあげることはとても難しいことです。
完全に理解しようとしなくてもいいので、どんな症状であるかだけを知っておいてほしいのです。
症状だけでもわかっていると、双方戸惑いがなくなります。
病院にかかることは確かに大切ではありますが、何よりも大切なのは病院でも薬でもなく、
一番身近である家族の支えなのです。
そこに一人だけでも、こころから寄り添えるような相手がいるだけで回復のスピードも違いますし、
なによりも安心することができます。
「助ける」ということはつまり、「患者のこころに寄り添ってあげること」です。