27歳女盛りの娘が鬱病になりました。
きっかけは失恋と失職です。
長らく結婚を約束していた彼に突然裏切られ、
彼の転勤について行こうとして大好きな仕事に辞表を出したところの出来事でした。
当時職場にも寿退社という事で伝えており、同僚からも祝福されていた為、
その落差というのは大きかったのだと思います。
辞表を提出後2週間ほどで、娘の様子がおかしくなっていきました。
無口になり、部屋にこもる様になりました。
初めは理由もわからず、婚約相手の彼の話しや引越しの事等を聞き出そうと話しかけていましたが、
饒舌だった娘が話さなくなったのです。
娘が退職した後は、娘の様子がどんどんおかしくなりました。
1日中部屋に引き籠り、涙を浮かべ、テレビも見ず、顔を洗う事さえ出来ない状態になっていました。
漸く、事態の重さに気づいた私は、何とか娘の話を聞き出し何時間も娘の話に付き合いました。
「もう死んでしまいたい。」と訴える娘に私まで涙しました。
それから、精神科を探し娘を連れて行きました。
初診は1時間もかけてくれました。
先生はじっくりと娘の話に耳を傾け、薬を処方し
「止まない雨はない。今はじっとしていなさい」とアドバイスをくれました。
2か月間は私も大変でした。
当時は働いていた為、家に閉じこもり、
いつ自殺するかもしれない娘からの電話には即座に応対し、
気が休まる暇はありませんでした。
私が毎日心掛けていたことは、努めて普通でいる事、
これ以上の詮索はしない事、
頑張れなどと言って焦らせない事でした。
特に明るい態度で接しようとは思っていませんでしたが、
カーテンが閉まってれば「今日は天気がいいよ~」と言ってカーテンを開けるという事はしていました。
またどんなに仕事が遅くなっても、夕飯だけは手作りし一緒に食べる事にしていました。
毎日気がかりではありましたが、べたべたと娘にせず、ほっとくことも心掛けました。
何をしてても否定をしない事も。
家族が鬱病に直面するとは思っていませんでしたが、
本当にきっかけさえあれば鬱病には何時でもなり得るんだと思いました。
鬱病の人には家族のサポートが絶対必要です。
鬱病の本人が一番辛いけれど、家族もその雰囲気にのまれて辛い思いをするでしょう。
ですが、鬱病は時間が掛かりますが治ります。
娘は5か月程で、転職活動も出来るようになりました。
娘が言うには、「お母さんが普通に接してくれて、休みなさいね!
とほっといてくれたのが良かった」と言っていました。