いわゆる一般的な「うつ病」というのは、
「何をやっても楽しくない」、
「自分は価値のない人間だ」などと否定的に考え、
過度の疲労やストレスで長い間、心が沈んだ状態が続き、
「憂うつ感がぬぐえない、それによって体が思うように動かない」
といった症状が主なものでした。
しかし最近は、これまでのうつ病とは異なった症状のうつ病が出てきています。
これを、新型うつ病と呼びます。
新型うつ病の人たちは、
「自分がうつ病になったのは、会社の責任だ」
「私はうつ病なんだから、会社には配慮してもらわなくてはならない」
「医師から診断書をもらったので、休養しなければならない。」
といった被害者的で自己中心的な考え方をしています。
従来型と新型の違い
40歳あたりを境目に、それより若い人に新型うつ病は圧倒的に多く、
それより老いた人は従来型のうつ病が大半となります。
従来型うつ病の人は、自責的で、自分を責める傾向にあるのに対して、
新型うつ病の人は、他罰的で、他人を責める傾向にあります。
また、仕事に対する態度も違っていて、従来のうつ病の人は、
休職を勧められても、仕事をなかなか休みたがらない人が多いですが、
反対に新型うつ病の人は、自ら休職を求めます。
従来型うつ病の人はほとんど毎日、気分が沈みっぱなしですが、
新型うつ病の人は休日になると症状が軽減するなど、状況によって気分に変動性があり、
趣味に没頭したり、元気にすごせる時間もあります。
従来型うつ病の人は、たとえ求職して自宅療養していたとしても、
「会社へ行かないですんでラッキー」などとは考えません。
むしろ「同僚に迷惑をかけて申し訳ない」という思いで自分を責めてしまいがちです。
ところが、新型うつ病の人は、働くこと自体に対して強い恐怖を感じ、
ときには動悸、発汗、めまいなどを伴う強い不安として現われます。
不安な状態は呼吸困難を伴い、パニック発作になることもあります。
従来型うつ病の人は、周囲を気遣うあまり、頼まれごとを断れなかったり、
自分の言いたいことを言えない傾向が強いです。
それに対し、新型うつ病の人は、自分がやりたくないことにはハッキリ「NO」と言い、
自分中心に考え、マイペースに行動しようとする傾向にあります。
こうしてみると、新型うつ病は、従来のうつ病と比べると一見「軽そう」な感じがしますが、
うつ病の本質は、「重症か、軽症か」、ということではありません。
軽症であっても、れっきとしたうつ病である場合もあるのです。
伊藤
28歳になる息子が、現在会社勤めをしており、関西地方で一人住まい
をしています。ところが、本人の性格として、昔から心配性の傾向が
強く、卒業旅行でイタリアに行った際、急に吐き気に襲われ、それが
原因で帰国後は海外への恐怖心が芽生え、入社後に海外出張に行かされる事への懸念から、精神が不安定な状況が続いていました。
そして結局は、アメリカに出張を命じられ、やっとの事で何とかこなす
事ができ、やれやれとほっとしたのも束の間、今度は職場の指導員(先輩)とウマが合わず、そのとばっちりからか、職場で叱責を受ける事も
度々のようで、会社を辞めたいと毎日のように母親である私の妻に電話を掛けてきて、その窮状を訴えております。こちらとしては、きちんとした精神科医に相談するように話をしていますが、聞く耳を持たずで、自分で探してきた近所の心療内科で薬をもらい、結果的にはその副作用かどうか気力のない話し方が多くなり、そんな態度が影響したのか、職場でのマイナス評価が増え、その指導員の叱責に繋がっているような気がします。そして最近は、死にたいとまで口に出しているみたいで、大変心配しています。ただまったく気力がない訳ではなく、最近車を購入してドライブに出かけたり、ネットの婚活で知り合った何人かの女性とデートしたりと、まったくのうつ状態ではない感じでもあります。
そこでこの状態を少しでも改善するには、どのような手段がありますでしょうか。妻などは、毎日電話で悲痛な叫びを聞かされて、かなり
憔悴している状況です。また小生が代わりに話を聞こうとすると、ダメ
だと拒絶されてしまい、これ以上助ける事ができません。
何か良い解決方法があれば、ぜひ教えて頂かれば幸いです。
よろしくお願いいたします。
島津
図らずも新型うつの人と同じ職場になり、マイペースでやっている(というかやっていない)横で頑張っていたら、自分がうつになりそうになった。若い頃から仕事はバリバリこなす方だったので「マサカ…」と思ったが、一歩引いて客観的に見たら頑張りすぎている自分がいた。とほほ