うつ病の主な症状には、憂うつ感、おっくう感、焦燥感があります。
これらを言葉であらわすと、「気分が晴れない、モヤモヤする」ということになります。
もちろん、嫌なことが起こると、こういった気分になることは自然で、誰にでも起こることです。
でも、普通の人なら、その出来事から時間が経てば落ち込む気分はなくなっていき、
再び良いことが起これば気持ちも元気になります。
しかし、うつ病になると嫌な出来事から時間が経っても、こんな気分が毎日続くようになり、
たとえ良いことがあっても、「良いことが起こっている」とは思えず、
元気な気分を取り戻せなくなってしまうのです。
しかし、いくら言葉では表せても、実際にどんな感じがするのかは、
実際にうつ病になり、憂うつ感を体験した人でないとわかりません。
そこが健常者に理解されにくい理由でもあります。
朝の憂うつ感は、二日酔いのような気分に似ています。
これなら二日酔いの経験のある人なら皆わかると思いますが、
目が覚めたときから、頭痛、吐き気、だるいなどの症状がでて、起き上がるのが辛いのです。
しかし、再び横になっても気分は一向に優れません。
この状態が昼過ぎまで続き、夕方にかけて軽くなっていきます。
仕事の心配
元の職場に復帰できるかどうかは、療養中の一番の心配事でもあります。
うつ病になる人は、もともと真面目な人が多いですから、
病気が少し改善してくると、仕事のことが気になってきます。
元の職場に戻れるかを心配したり、ブランクを気にしたり、
いつまでも休業しているとリストラされるかもしれないと考え、また落ち込むこともあります。
人は先のことばかり考えて心配していると、誰でも不安な気持ちになるものです。
でも普通は、今やるべきことに意識を集中させます。
しかし、うつ病になると、この集中力を発揮することができなくなり、
この先、うまくやっていけないんじゃないだろうか・・・
今のままでは良いことなんかないんじゃないだろうか・・・
といったことを何度も考えてしまい、漠然とした不安感に駆られることが多くなります。
将来に夢や希望を感じることができず、不安しかないと感じてしまうのです。
もし復帰できたとしても同じ部署で同じ仕事をしていれば、いずれ再発するかもしれません。
職場を変えようとしても、今より良い職場に就職できるかもわかりません。
そんな不安をを解消するためには、
なぜ不安なのかをつきつめて考えれば問題がしぼれ、解決できることもあります。
「まだ休んでいて大丈夫なのだろうか」、という心配があるのであれば、
会社に直接確認すればいいだけのことです。
会社の就業規則には、休業期間が決められているはずです。
「いつまで休めるのか」、「その間の給与はどうなるのか」など確認しましょう。
このことは、自分で言い出せないなら、家族を通じて聞いてもらってもいいでしょう。
本来であれば、事情もわからずに遅刻や無断欠勤が続けば、リストラの対象になってしまいますが、
でも、うつ病の診断書があれば、たとえ、うつ病の原因が業務外にあったときでも、
会社は軽々しくリストラすることはできなくなります。
クビにすることで後々問題が起こってしまうと、様々な責任問題が生まれてしまうからでしょう。
会社は、病気などの種類や程度によって配置転換をするなどの検討をするべきで、
よほどのことがなければ、解雇することは許されません。