うつの父。一番身近な家族だからこその悩み続けた10年間。

うつ病はとても辛いもの。

怪我や病気と違い症状が目に見えない分、周りからの理解に苦しむ事が多くあると思います。

 

私はうつ病を長年抱えている父を持つ娘です。

本来、家族は支えてあげなければいけない存在。

なのに病気を理解できなかった娘側のお話をさせて頂きます。

 

私の父がうつ病になったのは、今から10年ほど前になります。

うつの原因は会社のストレス、自分の容姿のコンプレックスから来るものだったみたいです。

その頃、私は高校生で反抗期の真っただ中でした。

今までの父の印象は朝から晩まで仕事一筋で、課長に昇進するなど「仕事のできる人」でした。

そんな父が家を出る時間になっても寝ている事が多々見られ、

父に対して特に関心もなかった私は横目で見るだけでした。

 

学校から帰ってもまだ寝ている父。

その日だけではなく、日に日にパジャマ姿の父の姿しか見なくなりました。

さすがにおかしいと思った私は母に尋ねると、「お父さんから話あるから待ってなさい」の一言。

それほど重い病気なのかとさすがの私も心配していた時、父から報告を受けました。

 

「報告が遅くなってすまない。最近、朝が起きれなかったりめまいがしたりで仕事をお休みしている。

病院でうつ病と言われたよ。心配しないで大丈夫だから。ちょっと休めば良くなる」

その頃あまり父と話すら交わしていなかった私は、なんと声をかけて良いのか分かりませんでした。

ただ身内にうつ病がいるという事が衝撃過ぎて理解ができなかったんだと思います。

報告する父の顔は笑っていました。心配をかけまいと強がっていたんだと思います。

弱い自分を見せない父なりの気遣いでした。

 

そんな事も気付けなかった私はいつまでも笑っている父の姿を見て

「なんだ大丈夫そう。うつ病って精神的なもんでしょ?気合いの問題じゃん」

としか考えてあげれませんでした。

 

私も社会人となり、沢山の辛い思いの日々でした。

嫌な事があれば会社に行きたくない、体調がすぐれない時だってある。

ストレスだって相当なものでした。

父が背負っていたものには比べ物にならないとは思いますが、

社会を分かったふりした私はこんなものに父は負けたのかと呆れてしまいました。

 

それから「病は気から」と言わんばかりに、きつそうにしている父を構うことなく過ごす日々でした。

日に日にベッドから起きれなくなった父はとうとう入院する事に。

入院生活は決められたスケジュール通りに日々過ごすよう指示されており、

イベントや他の病人との談話会なども組み込まれてありました。

私なりに理解をしなければと思い色々と調べ、ネットには色々な事が書かれてありました。

言葉では理解したつもりでも、いざ本人を目の前にすると

無気力となった父の姿を見るだけで悲しみが虚しさが込み上げてきて横にいるだけしか出来ませんでした。

どんな対応をしたら良いのか、どうしたら改善するのか分からなくて苦しかったのを覚えています。

 

今までを振り返るとうつ病の辛さを分かろうとしなかった、病気に対して世間体を気にした自分、

今となればなんて酷い事をしたんだと後悔しています。

 

もし私のように、身内に病を抱えている人がいて支える側としての役割に悩んでいる方がいるならば、

とにかく傍に居てあげてください。

父は孤独が駄目でしたから、とにかく傍にいました。

話はしなくても、一緒の空間にいる事が大事なんだと思います。

安心を与えて下さい。みんなの笑顔を見せることがなによりの特効薬だと思います。

 

うつ病になったら、社会復帰まで相当な時間がかかります。

現在の父も社会復帰はしましたが、何度も転職しましたし、今も1か月に2.3回は体調不良で休んでいます。

それでも、ただひたすら見守り続けて下さい。

いつも通りが一番本人に負担を与えません。

そして会社に行く時には必ず顔を見て「いってらっしゃい」と声をかけて下さい。

そんな当たり前な事で良くなるのかと思うかもしれませんが、私達家族はそうやって父と接してきました。

 

大黒柱のあなたが病気でも私達でやっていけてる。

ほら、いつもと変わらない日々でしょ?

と無言の安心感を与え続けた10年間でした。

 

うつ病に完治というものがあるのかと思う位、病気に苦しみ続ける父の姿を見てきました。

もう、このままなのかもしれません。

それでもうつ病には支えとなる人が欠かせません。一人では戦えません。

何もできないと悩んでいるあなたがいるだけで本人は救われていると思います。

無気力だと思いつめないで、投げ出さないで、一緒に歩んであげて下さい。



うつ病の人への接し方 関連記事


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメント

お名前 *

ウェブサイトURL