社員がうつ病になる原因には、
その人を取り巻く環境が大きくかかわっています。
ですから、薬で症状が落ち着いても、環境が全く変わらなければ、
多くの場合、症状は再び悪化してしまいます。
勤め先では、直属の上司に勇気を持って話すことがうつ病改善への一歩になります。
精神科に行って、どうしても辛いので会社を休みたいとの旨を伝えると、
自律神経失調症や過労などと無難な診断書を書いてもらうこともできますが、
後々のことを考えれば、「うつ病です」とハッキリと会社に伝えた方が良いでしょう。
仕事を休まず通院できる段階では、医師に診断書を書いてもらう必要はありませんが、
「残業を控えるように」などのアドバイスのメモをもらうことは可能です。
その旨、主治医に頼んでみてください。
上司にメモを見せて、治療中であることを話し、
仕事の負担がかかりすぎないよう配慮してもらいましょう。
上司以外の職場で共に働く人たちに対しても、
うつ病であることを知らせるかどうかについては、本人の意思を尊重してください。
本人が病気のことを伏せたいを希望する場合には、
「体の問題で休養する」というふうに職場の人たちには伝えるようにしましょう。
実際、うつ病になると、胃炎や長引く風邪などの症状も出てきますから、嘘にはなりません。
ただ、このとき、できれば期間の目処を伝えることが必要です。
最初のうちは周囲も協力的ですが、あまりに長引くと、不満が出てくるものです。
体の病気や怪我とは違い、うつ病は外見からは見分けることができません。
そのため、本当はうつ病であっても、「怠けている」だとか「気が弱い」だけなどと、
うつ病であることを理解してくれない人もたくさんいます。
ですから、うつ病になったとき、職場や友人など周囲の人に、
「うつ病であること」を伝えるかどうかは、よく考える必要があります。
もし伝えなければ、病気の症状を本人の意欲や性格のせいだと誤解されかねませんし、
社会人としての信用問題にも関わってきます。
しかし逆に、病気であると伝えても、
相手にうつ病についての理解がなければ、事態は改善されません。
うつ病は隠すべき?
うつ病を隠していると、様々な誤解を生んでしまうことにも繋がりかねません。
仕事のできない奴だと思われたり、怠けている、信用できない人間だと勘違いされてしまいます。
病気であると伝えた場合、最初は心配してくれるかもしれませんが、
相手がうつ病ついてよく知らないと、無理解のために気持ちのすれ違いが起こることも考えられます。
「なんでもかんでもうつ病のせいにしている」と思う人もいるでしょうし、
「甘ったれているだけだ」と怒り出す人もいるかもしれません。
理想的な形としては、自分の病気を伝えるとともに、
相手にうつ病について十分理解してもらうことが必要になってきます。