私の会社にA君という者がおります。
彼は私と同じ時期に今の支店に異動してきた者です。
私が会社で新採で入った時の同期です。
彼は別の支店で採用後異動。
その支店でめきめきと力を挙げていき成績もTOPで頑張っていた方です。
私も今の支店に彼も異動になった時は心強く頼もしい。
そして負けられないし恥じない仕事をしていこうと決めました。
A君は明るく仕事もできました。
ですが、厳しい上司の叱責(半分期待値込めての)や慣れない土地での仕事の業務上でのミスや、
なかなかチームに溶け込めないで人間関係に悩み、
昨年の冬、いきなり突然出社してきたかと思いきや、泣き出して何も言わずに退社しました。
それから数日休み、パニック障害からくるうつ病と診断され1か月休むことになりました。
私は内心心配でした。
まさかA君がそんな状態になるとは夢にも思ってませんでした。
そんな最中、上司のK部長から「君も力になってやってくれんか。同僚として。協力してくれ。」
と頼まれました。
仕事のプロジェクトにA君も入っていて途中進行でしたので中止もできませんし、
業務も回らなくなるので少しでも早い復帰をと思い彼に連絡しました。
電話で連絡しましたが、最初は「誰とも会いたくない。辞める仕事を!」とだいぶまいってました。
ですが、ちょっと会おうとか軽くお茶でもしないかと誘いやっと会えました。
A君はだいぶげっそりし、黒髪でしたが一気に白髪が増えて老けたように見えました。
喫茶店に入り私はとにかく聞き役に回りました。
仕事の話は一切せず、「調子はどう?」とか穏やかにあかるく普段通りに会話しました。
するとA君は話したいことが一杯あったのかマシンガントークの様に話を延々と続けました。
疲れましたがとにかく聞くのに徹しました。
子供さんの教育資金や車や住宅ローンが払うのが厳しいとか、
会社の査定や評価が散々だったとか誰もが抱える切実な悩みを語ってくれました。
一通り聞くとスッキリしたのかだいぶ落ち着き、数回あった時も同じように繰り返しました。
その際に「大丈夫」とか「頑張れ」のワードは禁句だと思っていっさい言いませんでした。
かえって励ましの言葉は本人の意欲やモチベーションの低下もさせるので頭の中で言わない様に注意し、
感情的にならずにとにかく聞きました。
一か月後にA君は何とか出社して復活しました。
しばらく遅い勤務や残業は控えさせてできる仕事をしっかりとさせました。
他のチームでしたので知り合いの方にA君を見てもらうようにお願いしたり、
A君のチームに時折顔出したり、声掛けしたり軽くしていきました。
現在、何とかA君は回復し彼なりに仕事を頑張っています。
やる気になって精一杯仕事をし、投げ出すことなく責任感持って仕事しています。
疲れたときは速く退社するように促したりし、心と体の面もだいぶ回復しています。
同僚がうつ病になり私は現在も優しく見守り、常時というわけにはいきませんが彼を見てケアをしています。
現在は薬も飲んでいなくていい方向に向かっていると思います。
うつ病は好きでなる病気ではありません。
そして、大丈夫だと思っている人間でもいつどうなるかわかりません。
意外な人がなりやすい。
今回のA君のケースで色々勉強になりました。