電通の過労死事件などでも話題になった、パワハラと過重労働に伴ううつ病について。
気になる方、少なからずいらっしゃるかと思います。
今回はその中でも「パワハラ」に絞って、お話します。
上司や同僚などからの過剰なプレッシャー、いじめなどから生ずるパワーハラスメント、
これによってうつ病を発症する例は、少なからずあります。
この場合、何らかの形で、SOSのメッセージがあります。
目がうつろになったり、生気がないという表情であったり、愚痴であったり、
お休みに気の置けない友人からの飲み会の誘いでも来られなくなったり、
来られたとしても悪酔いしたりなど、色々あります。
どうすればいいか、わからない方も多いと思います。
どういった方法がいいか、説明します。
パワハラの発信源から逃げる、それだけです。
ただの休職ではだめです。
異動を前提としたものではないと、また症状が戻ってしまいますから。
うつの症状が出てしまうほど追い詰められている場合、患者さんは心がだいぶ壊れてしまっています。
たとえ元の部署のスタッフさんが心を変えて迎えようとしたとしても、
患者さんがかつての恐怖を覚えているため、気を取り直すことが難しいのです。
ですので、もし同じ部署にしか戻れないとするならば、
しっかり休んで心身のコンディションを回復させてから、転職した方がいいです。
そして、異動にせよ、転職にせよ、うつ病患者は、SOSのサインを出すぐらい弱っている場合は、
何も考えずに休むしかないくらい疲弊しています。
「職場復帰した時に、スムーズに業務に戻れるように」と定期的に連絡などするのは絶対禁止です。
せっかく治ってきた症状も、心身の調子が悪かったころを思い出して、元の悪い症状をひきだしてしまいます。
ではどうすればよいか、疑問にもたれる方も多いと思います。
まずは好きなだけ食べ、好きなだけ寝て、少し回復したら、
家族(家族によるモラハラがある場合は近寄ってはいけませんが)や気の置けない友人、
あるいは一人好きの方は一人で、好きなことをしましょう。
そんなに無理して活発なことをしなくてもよいです。
楽しいことをしても疲弊するので、読書やお茶を飲みに行ったり、散歩したり、
好きな音楽を部屋で聞いたり、おいしいものを食べたりするなど、スタミナを消耗しないことをしましょう。
とは言え、金銭面など心配なことはたくさんあるかと思います。
パワハラによるうつ病は立派な労災なので、それに伴う休業手当も出ますし、
職を辞しても雇用保険から手当が出ます。
もっと言うと、立派な損害ですので、民事訴訟も可能なのですが、
たとえ弁護士を介しても、裁判所での手続きは心身の疲労が大きく、
お金と引き換えに健康を損なう可能性があるのであまりお勧めできません。
このように、金銭面の問題は解決する方法がたくさんあります。
したがって、うつ病の方への接し方は、まず、うつ病になった原因から引き離すこと、
そして、ゆっくり回復していく心身を見守りながら、患者さんが気楽に楽しめるように、
そう、それは、周囲の方が無理をさせない程度に、
それでいて日常接して来た時と同じように接すればよいのです。
大切な方を守ること、方法は難しいことかもしれませんが、難しく考えずに気楽に接することです。