私自身もうつ病で苦しんでいます。
また、家族や知人にも罹患されている方が多く、接する際の注意について説明したいと思います。
多くの方が、うつ病は精神的なストレスまたは心の風邪と考えておりますが、
全く間違った考えであることを理解して頂きたいと思います。
正直に申し上げます、うつ病の辛さはなった人にしか解りません。
思ったように身体が動かない、気分が憂鬱、身体のどこかが痛いなど様々な症状を抱えています。
よく、多くの方が『心が弱い』、『精神的に弱い』、『軟弱だ』とお考えのようですが、
うつ病を患う人の多くは正義感が強く、仕事にも真面目な方が多くいらっしゃいます。
うつ病の人に接する人で問題なのが、
物事を軽視する人や自己中心的な人、相手の気持ちを理解しない人です。
また、軽々しく『頑張れ』、『大丈夫?』などと言うのもダメです。
うつ病の辛さは本人にしか理解できません。
通常、うつ状態が長引いた場合にうつ病となりますが、
発症から1~2ヶ月程度の休養後に職場などに復帰します。
この時点では、寛解していないことを理解する必要があります。
よく、職場の方で復帰したら治ったと勘違いされる方が非常に多くいます。
しかし、うつ病患者の多くは日常生活が困難なレベルに達し、
徐々に日常生活や社会生活に慣らすというステップを踏んでいきます。
会社の中では、うつ病を全く理解せず、復帰者に時間制限を設けた仕事を預けたり、
本人に直接文句を言う方が多々います。
私自身も、その様な経験をしており、非常に苦痛です。
また、うつ病の再発率は60%以上と言われ、周囲の理解が必要だと考えます。
特にうつ病患者へ時間制限付きの回答をさせる(○秒以内に答えてください。あとはタイムのカウント)
ということは、やってはならないことです。
また、やたらと罪悪感を与えるような言葉はすることはタブーです。
うつ病患者の多くは、真面目であり、罪悪感や時間期限を守るなどといった事を気にします。
このような人に時間にルーズかつ罪悪感が少ない人が心ない発言や行動をすることは非常に危険なことです。
多くの方が、うつ病の悪化または再発し、会社を退職するといったことに繋がります。
近年、メンタルヘルスケア教育が会社内で行われていますが、
管理職クラスしか受講しておらず、一般職の方は全く知識が無いといった状態です。
うつ病の部下がいる管理職は、その他の部下に対し徹底的に教育する必要があり、
患者本人が嫌な思いをさせられた場合は、当事者に対ししっかりとした説明が必要です。
特に、バカ正直または言葉を選べない社員に対しては責任を感じて頂くように日頃から注意が必要です。
うつ病とは心の病気ではなく、脳が極度のダメージを受けている状態です。
そのことを理解し、『本人の意見を否定しない』、『本人のペースで仕事をさせる』、
『直接文句は言わない』など徹底した管理が必要です。
特に若い方は、社会的なルール自体も理解せず、
自己中心的な考えでうつ病患者を責めてしまうことがあります。
うつ病患者から『申し訳ない』、『ごめんなさい』などと言わせるような行為は決してあっては行けません。
もし、上司の方が、患者本人からこのような話を聞いた場合は、適切な処置をする必要があります。