うつ病で離職をした後の仕事復帰までの期間は人それぞれです。
病気休暇を使い果たしてしまった場合であれば、
うつ病になる前とは異なった会社で働くことになりますし、
同じ職場に復帰できるケースもあることでしょう。
共通していえることは、仕事復帰というのは、充分な休息の後でも、
慎重に、緩やかな滑り出して行うことが最も望ましいということです。
例えばパート勤務であれば、週に認められる最低の日数から勤務することがおすすめです。
フルタイムでの仕事復帰の場合であれば、可能な限り、職場の同僚や上司に、
うつ病からの回復直後であることを理解してもらいます。
現在、うつ病にかかる人の割合は、労働者の1割を超えるというデータがあり、
職場にとって、うつ病から回復した人に再び実力を発揮してもらえるだけの態勢を整えることは、
急務であると言われています。
大きな会社であれば、産業医が常駐していますし、
また、そういったカウンセラーがいない場合でも、
各会社の人間がうつ病を患った人に対してどう接するかを学ぶ研修会が、
各地で多く催されています。
大切なことは、時短勤務を目指す以外にも多くあります。
まず、本人が話しやすい人物を身近に配置してやることです。
可能であれば、本人がその人物を選べる状況を整えてやります。
もし、同じ職場に、うつ病からの回復者が既にいる場合、
その人物のアドバイスや経験は非常に貴重な価値を持つので、皆で共有することで参考にします。
それから、これでは仕事量が少なすぎるのでは、という位の仕事量がちょうど良いということです。
うつ病からの仕事復帰には、周囲が想像する以上の体力的な消耗をしているものです。
本人が気を付けることはもちろんですが、周囲がこのことをじゅうぶんに配慮してやります。
また、うつ病になりやすい人の特徴としてよく言われることですが、
自責の念を感じやすく、断りにくいという人物像が挙げられます。
こういった性質を鑑み、復職後間もなくは、出来る限り、
責任と判断の少ない仕事を与えてやるようにします。
うつ病は、自分がまさかなるとは思わなかった、という人物でも罹患します。
また、昨今の厳しい労働状況のもとでは、うつ病になりやすいとされる性質を備えている人は、
やはり、症状が表れやすいのも事実です。
事後対策は当然大切ですが、どの企業にとっても人材とは人財であることを日ごろから自覚し、
うつ病にならないような事前の工夫が、各職場に求められています。