うつ病になった人には、ただ、
「日常の決まりきったことから解放してあげる」ことだけを考えてあげましょう。
とにかく休養させることが第一の治療となります。
「生きていても意味がない。生きていても、この先も、またその先も同じつらいことばかり。」
と考えている人のためには、嫌で嫌でしょうがない、仕事や日常の義務と責任から逃がしてあげるのです。
とはいえ、「休むと気が抜けて、このままダメになってしまうのでは。」
などと考え、パートナーが休もうとしなかったら、
「今あなたは疲れているのだから、休まないといけないよ。」と伝え、
何とかして休ませる工夫をしましょう。
症状が重い場合は、数ヶ月単位の休暇が必要となりますので、
医者に診断書を書いてもらう必要があります。
ですが、そもそも精神科を受診するのを嫌がる人もいると思います。
特に男性に多いのが、「妻に心が弱いと思われたくない」、
「職場にうつ病だとバレたらどうしよう」、「自分は甘えているんじゃないか」、などと考えてしまい、
自分の症状を認めたがらず、なかなか病院に行ってくれないケースがあります。
そんなときは「私が心配で仕方ないから、受診して」というような言い方をしてみましょう。
「受診しないことのほうが家族の負担になる」、という発想になれば、
「1回ぐらい病院に行ってみようかな」、という気持ちに変わるかもしれません。
うつ病はきちんを休んで、しっかり治療すれば、数ヶ月で症状はかなり改善されます。
仕事を再開するのはそれからでいいでしょう。
うつ病になった人は今までずっと頑張ってきたのですから。
入院も一つの手段
うつ病は普通、外来通院で治療を行いますが、
病気という認識がない為に、行動に危険性が伴う場合や、
身体的に衰弱が目立ったり、追い詰められる気分が高まって
命に危険があるような場合は、入院が必要となります。
他にも、家族が看護に疲れ果てているときや、
家庭では十分なサポートが得られないとき等にも
入院は有効な手段となるでしょう。
とはいえ、ほとんどの場合、入院の目的は本人の休養にあります。
うつ病になるような人は真面目な人が多いですから、
仕事から隔離するために入院させるのです。
休職中、家でダラダラしているといっても、仕事や将来のことを心配に思い、
せっせとパソコンで情報収集などしていては、セロトニンを大量に消費してしまうことに繋がります。
治療のためには、休養中は、頭を使わない生活をすることが必要です。
その意味では、休職のついでに症状の程度に関わらず、入院するのが治療の早道になります。
精神面の治療ではなく、生活療法のために入院は有効なのです。
精神科や心療内科の病棟を敬遠する人もいますが、
普通の病気で入院するのと同じような病室で、リラックスして過ごすことができます。
保険も適用されるので、治療に手中するための一つの方法として考えてみましょう。