うつ病にかかると、何もする気になれなかったり、寝ていたりと、
周囲から見ると、ただ、ダラダラしているだけのように見えてしまうといわれることが良くあります。
こんな時、「少しは動きなさい。」というような、きつい命令口調のセリフはまずNGです。
もちろん、「少し散歩とか行ってみない?」というのも、
優しく言っているように思われるかもしれませんが、NGです。
うつ病の人だって、好きでダラダラして見えるような行動をしているわけではありません。
本当に動くのがつらいのです。
例えば、テレビやラジオの音が聞こえることだけつらかったり、
外に出かけるということ自体に恐怖を感じたり、自分という存在に葛藤したりと、
ダラダラしているようでも自分と闘っています。
本当に何もできない自分にいら立っていたり、苦しんでいるのです。
そして、そんな自分に精いっぱいのせいか、今は誰からも干渉されたくない、
というような思いを持っていたりするのです。
では、周りの人はどうしたらいいのでしょうか。
まず、こうしなさい、どうしたいの、いい加減にしなさい等、
怒ったり、命令口調で話したりは止めてください。
こんなことを言ってしまえば、余計自分の殻に閉じこもってしまうだけです。
まず、本人がその気にならなくては何にもできませんので、普段はそっとしておくのが一番ですが、
話しかけたい場合は本人が意思決定をできるような形の問いかけのような話し方をします。
例えば、お菓子もらったんだけど食べる?、とか、買い物行くんだけど、何か欲しいものある?
というような問いかけであったり、
今日は天気いいね、よく眠れた?という、他愛のないお話がベストです。
たとえ、問いかけであっても、もし、本人が押し付けられていると感じれば、それはストレスになりますし、
心をさらに閉ざすことになりかねませんので、言葉には細心の注意が必要です。
また、返事が返ってこなくても怒らないでください。
それは自分の心と闘っている最中なのです。
そんな時は、食べたくなったら言ってね。とか、ゆっくりしてね。と一言言って話を終わります。
何も言わずにいなくなってしまうと、そのことが気になってしまい、また落ち込んでしまうからです。
うつ病は本当に自分の心との闘いです。
気分に波がありますので、同じ対応ができるとは限りません。
頑張っているのですから、無理やり何かさせようとせず、見守ってあげてください。
そうしていると、ある日突然、気持ちに変化が現れることがきっとあります。
今までしなかったことをしてみようと思えるようになって、
自分から行動し始めることができたら大きな進歩です。
時間はかかってしまうと思いますが、長い目で見てあげることが回復への近道です。