叔母が、うつ病を発症しました。
叔母は祖母と祖父の3人で暮らしており、店を経営してました。
ですが、祖父が末期の癌になってしまい祖父が亡くなるまでは
家事と祖父の介護を両立していました。
元々は、明るく料理や洗濯といった家事も楽しくこなしているように見受けられましたが、
祖父の具合が悪くなってからは愚痴をこぼしながら料理などをすることが多くなっていったようです。
実際、自分が叔母の家に言った時も叔母は愚痴をこぼしながら家事をしていました。
愚痴というのは、初めはほんの些細なことだったようですが
次第に昔祖父から言われて嫌だったことや祖父の嫌いなところなど、
要するに自分の親に対する文句が多くなっていったようです。
というのも、叔母は元々祖父(叔母にとっての父親)と非常に仲が悪く、
自分が物心ついた時から叔母は祖父とまともに口を利いているところを見たことがありません。
ですから、叔母が内心祖父をよく思っていなかったことに対しては特に驚きはしませんでした。
今思えば、嫌いな祖父の介護をせざるを得なかったことが叔母にとってよほどのストレスになっていたのでしょう。
祖父の愚痴を聞くたびに祖母は
「じいさんは、昔からどうしようもない人だったし、もう先も長くないから気にしないでおくれ。」
と叔母を励ましていたようです。
ですが、そんな祖母の励ましも虚しく「家事なんてやりたくないんだよ!」
と半ば怒鳴りながら家事をするようになったそうです。
そしてついに叔母はほぼ1日中寝てるか座ってテレビを見ているだけになりました。
祖父の介護、家事や店も全て祖母がやるようになりました。
それでも、叔母の愚痴は治るわけではなく、
テレビを見ながらテレビに優雅な暮らしをしている人が出ればその人を妬み、
終いには「もう何もしたくない。」が口癖になりました。
自分も叔母に会うたびにその台詞を聞くようになりました。
祖母は昔からポジティブな性格なので、
叔母のそういったネガティブな発言を聞くたびに
「そんなこと言ってないで、頑張れ!」と励ましていましたが、
その励ましが叔母には逆効果でした。
そんな生活を繰り返して、ついに叔母は精神科へ行きうつ病と診断され、薬をもらうようになりました。
うつ病の理由は、叔母の話から判断するにやはり祖父の介護が原因だろうとのことでした。
今ではその薬のおかげでだいぶ落ち着いてます。
ただ、うつ病の人に頑張れと励ますべきではない、
よく聞きますが、叔母と接している中でこれを痛感しました。
仮にそこまでシンプルな励ましではなくても、
うつ病にかかった当人と接する相手の立場が違うということを認識させるような発言は
好ましくないということも学びました。
例えば、何もしたくないと話す叔母に対して、
自分が代わりになんとかするというような言葉は
自分と相手という立場を決定付けるのであまり好ましくありません。
そういう時は、ひたすら相手に寄り添う気持ちで相手と同じ立場に立つのが大事だと思います。
ですから、叔母のケースであれば、まずは「介護は大変だね。しんどいね。」
といった言葉をかけることで、うつ病を防ぐことが出来るかもしれません。