それまで周りにうつ病の人がいなかった場合、どのように接したらいいのだろうと考えてしまいます。
家族や、友人がうつ病になった時、あんなに明るかった人がなぜと悲しみを覚えることもあるでしょう。
早く良くなってほしいと思いますが、ここでは気をつけたいポイントをいくつか考えたいと思います。
これはよく言われることですが、頑張ってね、というのは多くの場合、
うつ病の人をますます傷つけることになります。
うつ病の人は、これまでも頑張ってきました。
頑張って頑張って頑張った結果が今という人も大勢います。
そんな相手に、励ましのつもりでもこの言葉を発すると、
これ以上何を頑張ればいいんだ、頑張れない自分はやっぱりダメなんだと、
ますます悪い方向に思いが向けられてしまいます。
また、腫れ物に触るように、なるべく近づかないというのは、良い方法ではありません。
確かにうつ病の人は、誰とも接したくないと感じるときもあります。
でも、誰かに話を聞いてほしい、側にいてほしいという時もあるのです。
一緒にいると、何を言ったらいいかわからない、だから近づかないと考えるのではなく、
何もできなくても寄り添ってあげることが大切です。
その人を大切に思っている、愛しているということが伝わるような仕方で接することが、
うつ病の人にとって慰めになります。
うつ病は長期的な治療を必要とします。
治療の過程で、とても調子がよさそうに見え、完治したのではないかと感じる時があるでしょう。
そのように期待するのは当然のことですが、うつ病はそんなに簡単なものではありません。
調子が良いと思っても、すぐにガクッと落ちてしまうこともあります。
それで、良くなっていると感じても、その時期に無理させないように気をつけましょう。
その時はできても、その反動でますます動けなくなってしまうかもしれないからです。
多くを期待しすぎず、でもできることはしてもらうことによって、少しずつ自信も回復させることができます。
回復してきた時、薬を飲み続けるのはよくないだろうからと、薬をやめることを勧めてはいけません。
症状が安定してからも、医師が良いという時まで薬をやめないことは重要なことです。
医師は、やはり専門家で、多くのうつ病患者を見ています。
その経験を通して、薬の種類や、期間を決めています。
基本的に医師を信頼し、素人判断で薬をやめさせたり変えさせたりしないようにします。
また、それほど知識もないのに、民間療法などを無理に勧めることもしないようにしたいものです。
うつ病は、理解できないことも多いです。
何が良く、何が悪いかは人によって異なるでしょう。
でも、接する時に大切なのは、その人を思いやることです。
そのように大切に思う気持ちから接するなら、うつ病の助けになれるでしょう。