うつ病の人に「がんばれ」と言ってはいけないということが最近ようやく認知されつつあります。
ですが、うつ病の人の心はかなりデリケートな状態。
健康な人にとっては受け流せる言葉でも、
うつ病で悩んでいるかたにとっては大きな負担・ダメージになってしまうこともあります。
では、どのようなことをしてはいけない、あるいは言ってはいけないのでしょうか。
◆他の人もがんばっていると煽ること
うつ病は怠けたいからなっているのではなく、誰にも相談できないがために一人で抱え込んだり、
がんばりすぎて燃え尽きてしまっている状態です。
そんな状況なのにもかかわらず、
「私だって(他の人だって)がんばっている」
「そんなのたいしたことない」
という心無い言葉を投げかけると、さらにうつ病を悪化させてしまう原因になります。
感じ方には個人差があります。
ある人にとっては当たり前だったり大したことがないことでも、
別の人からすれば苦手だったり大変に感じたりすることもあるので、
むやみに他の人と比べるような言葉を投げかけることは避けるようにしましょう。
◆義務感を煽ったり、相手を追い詰めるような言葉
うつ病の人は義務感に追われすぎたあまり燃え尽きてしまっている状態です。
「○○しないと」
「○○しなきゃダメ」
といった義務感を煽る言葉もうつ病の人に対しては厳禁です。
むしろうつ病の人はそのぐらいのことは頭では十分分かっています。
ただ、体調がその日その日で違ったりする影響で、
分かっているけど思うようにできない状態になっているのです。
また、説教をするかのように相手を追い込んだりするのも厳禁です。
よかれと思って言ったことであっても、説教をされている、
追い込まれていると感じたら、一気に気分が沈んで症状が悪化してしまうことにもなりかねません。
特に、最近体調が上向いてきたというタイミングで言われたとあれば最悪です。
「○○ができて当然」と健康な人の感覚で考えるのではなく、
「○○するのも今はキツいかもしれない」と相手の立場に立って考えることが、
普段健康な人と接するとき以上に求められます。
◆うつ病の治療は長期戦。温かく、辛坊強く見守りましょう。
うつ病の改善に欠かせないのは、周囲の協力と、可能な限りで理解を示す”うつ病への関心”です。
うつ病への無理解、無関心の状態に周囲がある限り、うつ病を改善していくことは難しいといえるでしょう。
うつ病はトントン拍子によくなっていくものではなく、
波を打つように良くなったり悪くなったりを繰り返して経過していきます。
いきなりペース配分を健康だったときのものに戻すのではなく、
ひとつできるようになったら次はこれ、
といった具合に少しずつ負荷を増やしていって体を慣らしていくことが必要になってきます。
○○できないやつはダメだ!と言わんばかりに相手に鞭を打つのではなく、
寄り添って一緒に進んでいくような姿勢を大切に接していくようにしましょう。