うつ病に苦しむ家族に助言するのは、
家族として当たり前のことです。
でも、その助言も、「具体的にどうすればよいか」
を示さなければ、患者本人を苦しめる事になります。
「前向きになれ」という言葉は、してはいけないアドバイスの一つです。
「前向きになりなよ」だけで話を終えてしまうことは、具体的なアドバイスにはなりません。
これでは、本人に歩み寄っているようで、実は関係を突き放しているようなものです。
家族や友人に、「もっとポジティブに考えたら?」などといわれても、
うつ病になりやすい人は、元々まじめな人が多いですから、
「前向きに考えたいのに考えられない自分」を責めてしまい、逆に落ち込んでしまうこともありえます。
「前向きになれ」といって、すぐになれれば誰も苦労はしません。
家族は、「前向きになれる状況」を作ってあげることが大切になります。
素直に現実の人間関係や自分の行動を振り返り、変えていくことで、
人は前向きに考えられるようになります。
人は、行動が変わってはじめて、前向きにやろうという意欲が生まれてくるからです。
本人自身が変えていけるところは応援し、そうでないところは無理をさせないという接し方が大切で、
本人にはどうしようもないことを頑張らせてはいけません。
「あなたの苦しみはよくわかる、そんなに苦しいのに、今までよく我慢していたね」
と、相手の苦しみに共感するのが対応の基本になります。
うつ病の人の辛さを受け止めて、聞いてあげることが大切になります。