うつ病の方が何で悩まれているかというと、
たいていの人が「頑張れないこと」に悩んでいます。
頑張りたくても動けない、頑張りたくてもやる気がでない、
心と体の不一致に苦しんでいます。
そういったうつ病の方に対して、最も言ってはいけない言葉は「頑張って」だそうです。
「頑張って」と言われた方は、「それができないから苦しいのに…でも期待に応えなきゃ」と思い、
更にプレッシャーで気も重くなり、結果頑張れなかったら自分を更に責めます。
けれど本人が頑張らない限り、治療へと向かっていかないのもうつ病です。
何もできない相手に対して、私達はなんと言葉をかけたらいいのでしょうか。
うつ病の方には、もちろん原因があります。
原因を解明して、取り除いていくことが何より第一だと思います。
しかし原因がなくなっても、すぐに病状がよくなるわけではありません。
まずは、近くにいる私たちが「相手を認めてあげる言葉」をかけてあげてみてください。
うつ病の方は、うつ病であることに不安を覚えています。
心がうまく機能しないことが辛くて堪らないのです。
まずは、その不安を受け止めてあげることからです。
「病気になって本当に辛かったね、辛いよね、もう我慢しなくていいんだよ。」と、
辛い気持ちや不安な気持ちを受け止めてくれる人かいるだけで、
どれだけ本人の気持ちが軽くなることか分かりません。
誰にも言えなくて、誰にも頼れないから、うつ病になるのです。
誰かが自分の気持ちを受け止め理解してくれれば、それだけでも変わると思います。
気持ちをわかってあげた上で、どう言葉をかけていけばいいのかが問題です。
焦らず、焦らせず、一つ一つこなすように支えてあげましょう。
まず「今日は〇〇やってみようか。」と相手の気分にあわせて提案してみてください。
乗り気にならなくても、少しでもやってみる姿勢がみえたら、それで充分です。
そこですかさず「やったね!今日は〇〇ができた。嬉しいね。」と、
ここでも本人の頑張りを認めてあげる言葉をかけてみてください。
「よくできたね。」など、出来栄えを褒めてあげるというよりも
「あなたが〇〇をやったことが、嬉しい」という、
周囲のポジティブな感情を伝えてあげてみるといいかもしれません。
「私はうつ病になって、みんなに迷惑かけて、でも治せなくて…」
とうつ病になった本人は自責の念と常に隣り合わせです。
そこで私たちがかけるべき言葉は、
「うつ病のあなたを受け止めるよ。あなたがうつ病なのが悲しいよ、
だからあなたが治せるとすごく嬉しいよ。」という、
うつ病の方に対しての理解と相手への愛情だと思います。
うつ病はなった本人も、周囲の人も、とても辛い病気です。
しかし決して治らない病気ではありません。
うつ病と向き合ったことで、人の強さも弱さも知ることができると思います。
どうか絶望的にならずに心地よい人生を歩めるように、
少しずつでいいのでまずは言葉をかけていってください。