私はうつ病になって1年間休職した経験があります。
1ヶ月入院して、あとは自宅で過ごしました。
時には涙が止まらなくなったり、死にたいと訴えることもありました。
その時の家族の態度でありがたかったことは、とにかく何もせず静かに見守ってくれたことです。
うつ病の時は自分を責めてしまうので、「心配している」と言われると、
家族に負担をかけている自分はいない方がいいのだと思ってしまいます。
また、「うつ病は気合で治せる」というような叱咤激励の言葉も
誰も自分の病気を理解してくれないという気持ちになりました。
うつ病で自己否定に陥った状態ではどんな言葉も諸刃の剣で、
全ての言葉にいちいち敏感に反応してしまいます。
かけられて嬉しかった言葉は母の「今はゆっくり休めばいいよ」という言葉くらいで、
あとはどんな言葉をかけられても、
うつ病になった卑屈な状態では何らかの裏の意味を考えてしまって心が休まりませんでした。
そして、うつ病の私がぶつかったのは引越し問題です。
私は一人暮らしをしていたのですが、うつ病で生活能力を失ったので実家に戻ることになりました。
しかし、とても荷物をまとめたり引越しの手配をしたりする気力はなかったので、父にそれを一任しました。
また、職場の休職の手続きも母が手伝ってくれました。
うつ病になると休職や退職して生活に変化が生じることは少なくないと思います。
私の両親のように、実質的に行動して助けてくれたことは何よりもありがたかったです。
そして友達も、入院中に必要なものや暇つぶしになるものを持ってきてくれて助かりました。
最初会う時は悲惨な状態の自分に引け目を感じましたが、
彼女たちが病気については触れずに普段通りに接してくれたのが良かったです。
うつ病の人は自分の置かれた状況がわからなくて不安になっていることが多いので、
病気の治療状況などを質問するのはNGだと思います。
そうして1年間の闘病生活を送りましたが、うつ病の治療は家族ぐるみになるということがわかりました。
母は言葉には出さないものの心労が重なっていたようで10kgも痩せてしまいました。
父も仕事中上の空になってミスするなど影響が出ていたようです。
うつ病の場合は家族の心のケアも重要で、
できれば家族と一緒に受診して家族が医師に対処方法を相談できるようにしたらいいと思います。
家族も病んでしまわないように、
いつも通りの生活を守ろうと必死に頑張ってくれた両親には敬服するばかりです。