美容師という仕事柄、色々なお客様と接します。
数年前から、あるお客様がうつ病になられたとおっしゃられました。
そのお客様とうつ病が最初はあまりにも結びつかず、どう接していいかわからなかったです。
調子の良い時じゃないと美容院に来れないとおっしゃっていました。
調子の良い時は、鬱じゃない状態で若干躁状態ということです。
なので、すごいしゃべります。
そのお客様は何故うつ病になったか、病院はどの位の割合で行ってるか、
薬はどのくらい飲んでいるかと細かく説明してくれました。
鬱は、身内にもいたのできっとそういう気があったのだろうということでした。
性格もどちらかというと、神経質で旦那様の親戚とのいざこざで心身ともに疲れてしまって、
それもうつ病の原因かもとおっしゃっていました。
とにかく、そのお客様とお話する時はとても気を使います。
でも段々慣れてくると、ちゃんと親身になってお話を聞くことが1番いいみたいだとわかりました。
もちろん、意見なんて言わないし、ずっと
「そうなんですかー。それは辛かったですね。きっと私もそういう気持ちになると思います。」
とか否定的なことは一切言わず、肯定の言葉しか言わないようにしました。
あとは、なるべく笑わせるようにしたことです。
何でもいいので、明るい楽しい話題を途中に混ぜ合わせ、とにかく笑うこと。
やはり、笑うことっていいんですね。
気持ちも明るくなってくるみたいで表情も段々と輝いてきます。
髪を切るという行為はそれだけですっきりするみたいで、
そのお客様はストレス解消で1ヶ月もしくは3週間位でカットにお見えになっていました。
自分がうつ病だと、カミングアウトした人と沢山話すことがとても気が楽になるみたいでした。
なので、最初はうつ病の方と接するということは大変で何を話したらわからなくて、
こっちまで気が滅入る気がしたのですが、あまり気負わないで、
自然に接することがいいんだなと思いました。
慣れてきたら、うつ病のことも色々聞いてみたりとか、病気のことを教えてもらったりとかすると、
何故か嬉々として話してくれることも分かりました。
話すことによって、自分の病気のことが第三者的な目で見られるのか、色々分析なさったりとかして、
一緒に考えたり、こうだったらうつ病にはならなかっただろうとか、
病院の選び方とか、先生によっても診断が違うので、セカンドオピニオンは大事とか、
私自身もとても詳しくなっていったと思います。
なので、変な同情はせず、沢山お話してさしあげることが大事なんだなと思いました。