「できる」ときは「やりたい」が本音。~軽症患者のジレンマ~

私自身がうつ病患者でした。

まだ軽い方だったため、投薬治療を受けながら、普通に企業に勤めていました。

その中で、周囲の方にこう接してほしかった、こんなことを言われてうれしかった、

という体験談をご紹介します。

 

私の場合は、休職が必要なほどの症状はなかったので、

上司など事前に伝えていた同僚以外、私がうつ病の治療を受けていることは分からなかったと思います。

それだけに、必要以上に気を遣われて病人扱いされることは本位ではありませんでした。

 

特に、負担になるからと言って、データの入力や会議資料の出力など、

簡単な仕事ですら振ってもらえない時は、

逆に自分の存在価値がゼロなのだと落ち込んでしまっていました。

うつ病の私に仕事などさせられない、任せられない、と思い、非常に自信を無くしたものです。

 

しかし、上司や同僚は、私に任せられないと思って仕事を振らなかったのではなく、

どうしてよいのか分からなかったようです。

仕事をさせてまた症状が悪化したらよくない、そう考えていたようです。

 

同僚が、うつ病治療をしているとわかっていても、出勤してきている同僚には、

何かしらの仕事は与えていただきたいです。

うつ病になってしまう人のほとんどは、本来は真面目で仕事熱心なのです。

仕事をさせてもらえない、任せてもらえないとわかった時点で、

自分なんて必要のない人間なのだ、と自分を責めてしまい、症状が悪化することもあります。

 

締め切りまでに十分時間があり、あまり深く考えなくてもこなせるような仕事がご自分の周りにあるようでしたら、

ぜひうつ病と向き合っている同僚にチャレンジさせてあげてください。

そして、彼・彼女が仕事をこなせたときは、「ありがとう」とはっきり伝えてあげてください。

きっと、「僕・私は〇〇さんの役に立てた」「喜んでもらえた」と自分の存在価値に気づき、

表情も豊かになるでしょう。

そういう簡単な仕事を正確にこなして行くうちに、

再び自分にも自信が持て、寛解(症状がほとんどでなくなる状態)の日も近くなると思います。

 

症状が少し安定してきた頃、思い切ってクライアントからの受託案件の担当者に立候補しました。

しかし、当然一人では荷が重かったため、上司と相談し、サブメンバーを付けてもらうことと、

上司に必ずフォローをしてもらうことを約束してもらい、

少しずつではありましたが、見事最後までやり遂げることができました。

その際に、サブメンバーについてもらった女子派遣社員の方から、

「お疲れさまでした、一緒に仕事ができて楽しかったです」と、

ありきたりな言葉をかけてもらえた時、普通に嬉しかったし、

心から感謝の気持ちを素直に持つことができました。

 

うつ病の症状が重症かどうかの見極めは非常に難しいかもしれませんが、

毎日遅刻せずに出勤できている、

ランチはしっかり食べている、

居眠りをしていない、

うつ病の同僚の方の方から話しかけてくる、

など、明らかにおかしいと感じる要素が見当たらない場合は、

どうぞ過剰な特別扱いはしないようにお願いします。

 

うつ病の本人も、できれば普通に生きていきたいのです。

過剰に気を遣われると自分が重度の病人であることを「再認識」してしまうもの。

「できる」ときは「やりたい」、が本音です。

 

ただ、連日残業をしていたり、短時間にこなさなくてはいけないタスクが詰まっているように見受けられた時は、

少し強引でもいいので、その方の仕事を減らすようにお手伝いしてあげてください。

うつ病患者は責任感が強いです。

一度引き受けた仕事を簡単にギブアップすることはありません。

ギブアップさせるのでもなく、仕事を奪う、でもなく、手伝う・一緒にやる、がポイントだと思います。

私たちはあなたの味方ですよ、いつもそばにいますよ、という気持ちを、常に態度で示していただければ、

うつ病の同僚もきっと心穏やかに毎日を過ごすことができるでしょう。


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