「いつもと同じ」がいちばんいい

私が鬱になったのは、社会人2年目になった時でした。

社会人1年目では、思うように仕事が出来ない自分をコンプレックスに感じながら、

ただがむしゃらに仕事に打ち込んでいました。

その結果、仕事は相変わらずでも上司や先輩から、

「新人の中で一番前向きに頑張っている」と言ってもらえるようになりました。

 

そのまま2年目に突入した時、今までのようにただ頑張るだけでは

乗り越えられない出来事が次々にやってきました。

後輩も出来る、責任も生まれる、与えられるものは増える、期待は高まる…

寝ても覚めても仕事のことしか考えられなくなり、次第に眠ることすらできなくなってしまったのです。

 

考えること全てがネガティブになり、睡眠の足りない頭でぼんやりとすることが増えました。

ふと気付くと、自分で後ろ向きに思いつめて、原因不明の涙を流していることもありました。

 

集中力を欠いた仕事で周囲から厳しく言われ、更に自信をなくしていく毎日。

そのうち、体から血の気が引いたような感覚が抜けなくなり、「これはおかしい」と思い始めたのです。

心療内科を受診すると、鬱と診断されました。

 

診断書を持って、上司に報告をしました。

その前日まで、パワハラともとれる厳しい言葉で私に叱責を繰り返していた上司でしたが、

私の病状を知るや否や急に優しくなりました。

その変化が、私にとって違和感を感じるものだったのです。

 

同じ時、学生時代からの友人と会う機会がありました。

その友人は、いつも激務の私を心配してくれて、

定期的に「美味しいもの食べに行こう!」と誘いだしてくれていたのでした。

鬱と診断されたことを告白すると、それほど驚きはせず、「あちゃー」といったリアクションがかえってきました。

「頑張りすぎたねー。でも、どうして今まで眠れなったのかの原因がわかってよかったね。

ちょっとの間会社を離れて、好きなことしなよ」と、

まるで大したことないとでも言うかのように笑ってみせたのです。

私にとって、この友人のいつもと変わらない態度がとても救いになりました。

 

鬱になって私がいちばん恐れていたのは、「今までの自分じゃなくなってしまうこと」でした。

私が鬱になったことで上司の態度が急に優しく変化したのも、

「そんなに私は弱くなってしまったのか」と、逆に私に落ち込む要素を与えてしまったのです。

出来ることなら、いつもと同じように接してほしかった。

もとに戻るまで時間はかかるけど、変わらない態度で待っていて欲しかった。

そう望んでいたのです。

けろっとしていつものお喋りに戻った友人の反応は、私の気持ちをとても軽くしてくれたのでした。

 

メンタルの病気は、目に見えない分、周りがとても気を使うものだと、治療を終えた今なら分かります。

でも、急に態度を変えると、まるで自分が受け入れてもらえなくなったように感じる人もいるのです。

私のように。

私も時間をかけて「いつもの私」に戻れたのだから、

いつものままで、いつもの調子で、気長に接してほしいと思います。


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