義理の兄が鬱病に…人が変わってしまって家族も戸惑ってしまった

「お兄ちゃんがちょっと仕事休んで、こっちに住むから」

義母から突然そう伝えられたのは、もうすぐお盆という時期でした。

主人の兄は実家を出てから20年経つというのに、

週に1度は実家で母親と連絡を取っているような人でした。

少し休みが続くと、母親にだけ告げて実家にたびたび帰省していたのですが、

その年は、義兄が職場の女性から仕事を与えられないという理不尽な扱いを受けているいうことで、

電話口で義母がよく慰めていました。

「どうやらね、うつ病になっちゃったみたい。仕事を辞めてこっちに住むかも」

次男である主人と結婚して主人の両親と同居していた私は当然嫌だなと思ったのですが、

病人であるし、治ったらまた義兄は東京で一人暮らしを満喫するだろうと思っていたのです。

 

帰省してきた義兄は、今までと変わりないように思えました。

物静かで、嫁である私に気を遣い、東京の手土産をたくさん持って帰ったおじさんに

まとわりつくこどもたちにも笑って相手をしていました。

 

違うな、と思ったのは、用意した客室に閉じこもり、日がな一日寝て過ごす生活でした。

食事の時間に起き、みんなと朝食を取った後は、客間に戻り、いびきをかいて寝ています。

聞けば、服用している薬の副作用で、眠いのだそうです。

昼食や夕飯時には起きて、食事を取るとまた眠る。

それなのに深夜の1時2時には、テレビやパソコンの明かりが部屋から漏れていました。

 

最初は病人だと受け入れてた主人も、日に日にいらいらしてきて、

ある日客間の扉を開け放ち、怒鳴りました。

「治す気が無いんだろう!!毎日毎日ぐだぐだしやがって!」

控えめな義兄は、「申し訳ない」と弟である主人に頭を下げて、

その日から、食事の後はできるだけ眠らず、

リビングで過ごすか外に出かけて散歩などをするという生活を続けていました。

 

義兄が家に来て2週間、やっといつも寝ていて入れなかった客間を少しでも掃除をしようと立ち入ってみると、

カーテンは閉められ部屋は薄暗く、しきっぱなしの布団の周りには

ジュースやジャンクフードのゴミがゴミ箱にも入れられずに散乱し、

溜め込んだ洗濯物や使っている寝具は、夏の暑さのために悪臭を放っていました。

病んでしまった息子を気を遣っていた義母も客間の有様に愕然としてしまい、

義兄が戻ると根掘り葉掘りと病気について聞いていました。

 

病気なのはわかるけれど、このままこの生活を続けていては社会復帰はできない、と。

「どうしたら治るの?お医者様にお母さんも一緒に行った方がいいの?」

本当に心の底から心配をしていたために発せられた言葉だと思いました。

それなのに、義兄は突然怒鳴ったのです。

「うるさいな!病気だって言ってんだろ!俺にはどうしようもないんだよ!

どうせ俺なんか死ねって思ってるんだろう!」

義兄の態度に固まってしまった自分の母親を見て、

逆に義兄は自分が傷つけられたように今度は泣き出しました。

家中に響いた怒鳴り声と、40歳近い男性がめそめそと泣き出した様子に

気づいたこどもたちが別室から顔を出し、心配そうに見守っていました。

私はその場から外され、主人と義母、そして義兄が夜遅くまで話し合っていた次の日、

義兄は義母とともに東京の住処へ戻っていきました。

かかりつけのお医者様と面談をし、義母は1週間だけ義兄のお世話をするために。

 

別れ際に「すみません」と謝罪してくれた義兄は、昔と同じ、控えめでおとなしい人でした。

実家にいると、誰も何も言わなくても、何も出来ない役立たず、

と思われているのではないかという気持ちがあった。

それなのに、母親がいるから、と寝てばかり、自分の好きなことばかりをやる甘えた生活を続けてしまった。

元に戻れなくても、規則正しく生活するべきだった。

こどもたちを怖がらせてしまって申し訳ない。

東京に戻った義兄から、だいぶたってからそんな風に電話を謝罪をされました。

 

今では、すっかりというわけではないですが、新たに仕事につくことが出来、

一人暮らしも出来るようになっています。

分かってあげたいけれど、見守るという行為も、分かってあげたいが故に、話を聞き出そうとする行為も、

うつ病の人には負担なのだなと感じました。


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